第4部で、リストの育て方、シナリオ、書き方、数字の見方とお話ししてきました。正直な感想として、「やることが多い」と感じている方もいると思います。そのとおりです。だからこそ、この部の締めくくりはAIとの分担です。かつての私は、月一のお便りを書くのに半日かかっていました。書き出せずに先延ばしにした月もあります。いまは、AIとの共作で1〜2時間。第6章でお話しした「AIに書かせず、AIと書く」の原則を、配信の五つの場面、シナリオ設計、文面づくり、書き分け、データ分析、件名づくりに当てはめていきます。
15-1 シナリオ骨子をAIと設計する壁打ちフロー
ゴールとペルソナを渡して骨子を出させる
第11章で、シナリオはゴールから逆算すると学びました。この逆算の作業こそ、AIとの壁打ちがいちばん効く場面です。一人で白紙に向かうと、どうしても「自分が言いたいことの順番」に引っ張られるからです。
ステップ配信のシナリオ骨子を一緒に設計してください。
【ゴール】読み終えた人が「40問の半自動レベル診断」を受けたくなっている
【読者】半自動レベルチェック(8問)を受けて登録した一人経営者。
交流会には出ているが、フォローがそのままになっている。
【前提】売り込みはしない。責めない。教育型7要素
(自己紹介・価値観・実績・事例・失敗談・視点・約束)を使う。
【依頼】
5〜7通のシナリオ骨子を提案してください。各通について
・この通の役割(読者の状態をどこからどこへ動かすか)
・使う要素(7要素のどれか)
・件名の方向性
を1行ずつ。通数の根拠も添えてください。
出てきた骨子は、あくまで叩き台です。自分のシナリオ設計図(第11章の一枚の図)と見比べて、採用する橋と捨てる橋を自分で決めます。
通数・順序・トリガーの検討往復
叩き台が出たら、往復です。私がよく投げ返す問いは、こんな形です。「3通目と4通目の間の飛躍が大きい気がする。間に一通足すなら何か」「この順序を、失敗談を先頭にした場合と比べて、それぞれの利点を挙げて」。
一発の答えを求めず、比較と反論を求める。第6章でお話しした壁打ちの型と同じです。AIの提案に「なぜ」を聞き、自分の違和感を言葉にしてぶつける。この往復の中で、シナリオの弱点が先に見つかります。配信してから読者の離脱で気づくより、設計段階でAI相手に気づくほうが、ずっと安上がりです。トリガー(第11章の「段階が進んだ人だけが押したくなるリンク」)をどの通に置くかも、この往復で決めておきます。
骨子レビューの観点リスト
往復の最後に、私は決まった観点でレビューを頼みます。自分の設計を、自分で客観視するのは難しいからです。
観点は五つ。ゴールは一つに絞れているか。各通は一通一要素になっているか。売り込みの唐突さはないか(予告はあるか)。読者の段階に合わない内容が前半に来ていないか。そして、文言原則(責めない・煽らない・「フォローに追われる」を使わない)に反する箇所はないか。この最後の観点は、私の場合、ブランドの決まりごとをそのままAIに渡してチェックさせています。決まりごとを文書にしておくと、AIは優秀な校閲者になります。
次の章へ
第4部では、面の仕組みを整えてきました。ここからの第5部は、いよいよ点の世界、一人ひとりとの関係を記録し、深めていくCRMです。「管理」という言葉が苦手だった私が、CRMを「大切にするための道具」と呼ぶようになった理由から始めます。
