設計図は描けた。仕組みも分かった。それでも残る、いちばん現実的な問いがあります。「本業をやりながら、これを全部、ひとりで回せるのか」。私も、仕組みづくりの途中で何度も止まりました。理由はいつも同じで、やる気の問題ではなく、営業活動が「時間割のどこにも住んでいない」ことでした。この章では、本書の実務すべてを、日次10分・週次の仕込み・月次の手入れというリズムに割り付けます。読み終えたら、あなたの手帳に、半自動セールスの住所が決まります。
31-1 日次ルーチン:朝のダッシュボード確認と接触タスク
朝10分の型:今日連絡する人・届く配信・反応確認
毎日やることは、朝の10分に集約します。私の型は、三つの確認です。
一つ、今日連絡する人。CRMの朝の一覧(第19章)を開き、今日の顔ぶれを見る。基本は一日三人まで。二つ、今日届く配信。今日ステップ配信やお知らせが届く人がいるなら、何が届くのかを頭に入れておく(第13章の「自分が発信している」意識は、この一瞥で保たれます)。三つ、昨日の反応。クリック、返信、診断の受診。合図があれば、個別フォローの候補に加えるか、その場で判断する(第20章)。この三つで、10分。コーヒーが冷めないうちに終わります。10分で済むのは、前の章までで、考える作業が設計に済ませてあるからです。朝のルーチンは、判断の時間ではなく、確認の時間です。
タスクを溢れさせない量の設計
日次ルーチンが崩壊する原因は、決まっています。一日にやることを、盛りすぎることです。
調子のいい日に、五人にも六人にも連絡すると、翌日の自分への期待値が上がります。そして、忙しい日にゼロになり、罪悪感が生まれ、罪悪感は回避を生み、一覧を開くこと自体をやめてしまう。私が通った道です。だから、量の設計は「最低ラインを低く、上限も決める」。最低は一人。どんな日でも、一人への一通なら打てます。上限は三人。余力があっても、四人目はやらずに明日に回す。物足りないくらいで止めるのが、明日も開きたくなるコツです。ダイエットや運動の習慣づくりと、まったく同じ原理です。継続の敵は、怠けではなく、頑張りすぎなのです。
やらない日があっても戻れる仕組み
それでも、やらない日は来ます。体調、出張、家族のこと。問題は、休むことではなく、休んだあと戻れないことです。
戻れなくなる仕組みは、こうです。三日空くと、一覧に「期限超過」が溜まっている。それを見るのがつらくて、開かない。さらに溜まる。この悪循環を断つために、私は復帰の儀式を決めています。空いた日数分を取り返そうとしない。溜まった超過は、第19章の三択(今すぐ・予定を引き直す・見送る)で機械的に仕分け、大半は「予定を引き直す」に流す。そして今日の分は、通常どおり一〜三人だけ。取り返すのではなく、今日から再開する。仕組みの側も、休みを前提に設計しておく。面の配信は、あなたが休んでいる間も動き続けています。数日の空白で関係は壊れません。壊すのは、空白ではなく、空白への罪悪感が生む長期離脱のほうです。
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最終部は、ここまで各章で使ってきたAIを、一つの設計思想にまとめます。何を任せ、何を任せないか。半自動セールスのAI論の総集編です。
