1000枚を超える名刺を前に、私が最初に考えたのは「この人たち全員に、メールを送ってしまおうか」でした。アドレスは名刺に書いてあるのだから、登録すればリストになる。そう考えかけて、思いとどまりました。名刺交換は、配信の許諾ではないからです。あの日、思いとどまってよかったと、いまも思います。もし送っていたら、せっかくの出会いを「無断で営業メールを送ってきた人」という記憶に変えていたはずです。この章では、名刺と出会いを、無断ではなく、丁寧に、許諾を得たリストに変えていく設計を一緒につくります。
10-1 リード獲得経路の全体マップ(Web・リアル・紹介)
Web経由・リアル経由・紹介経由の三本柱
リストに人が加わる経路は、大きく三つです。Web経由。検索やSNSからLPに来て、診断や小冊子を受け取って登録する流れ。第5章から第8章でつくってきた導線です。リアル経由。交流会や地域の場で出会い、そこから登録につながる流れ。そして紹介経由。既存のお客様や知人が、「この人のお便り、読んでみたら」とつないでくれる流れです。
三本とも大事ですが、性格が違います。Webは、数は見込めるが立ち上がりが遅い。記事や検索が育つまで時間がかかります。リアルは、数は少ないが確実で速い。紹介は、数はさらに少ないが、最初から信頼が乗った最上質の経路です。この三本を、自分の商売でどう組み合わせるか。それがリスト取得の設計です。
ひとりビジネスはリアル経由から始まる
では、どこから始めるか。私の答えは、はっきりしています。リアルからです。
Web経由のリストづくりは、記事が検索に載り、診断が回り始めるまで、数か月の助走が要ります。その間、登録者ゼロの日々に耐えるのは、正直つらい。一方、あなたはもう、交流会で毎月何人もの人に会っています。机の上には名刺もある。つまり、リアル経由の材料は、今日すでに手元にあるのです。序章でお話しした「一度会った人がいちばんの集客先」は、リストづくりでも同じでした。会ったことのある人から始まるリストは、小さくても最初から温かい。Webの仕込みは並行して進めつつ、最初の100人はリアルでつくる。私はこの順番をおすすめします。
経路ごとの温度差を知る
三つの経路を運用し始めると、気づくことがあります。経路によって、登録者の「温度」が違うのです。
第9章でお話しした取得経路の話を、もう一歩進めます。紹介経由の人は、紹介者への信頼を持って来てくれるので、最初から温かい。リアル経由の人は、顔を知っている分、クリックも返信も多い。Web経由の人は、まだあなたを文字でしか知らないので、立ち上がりは冷たく、育てる時間が要ります。どれが良い悪いではなく、温度が違う人に同じ接し方をしないことが大事です。だからこそ、第9章の最後に触れた「取得経路の記録」が効いてきます。登録の瞬間に経路を記録しておけば、あとの配信もフォローも、温度に合わせて変えられます。
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リストに人が集まり始めたら、いよいよ配信の設計です。登録してくれた人と、どんな順番で、どんな話をしていくか。全自動で失敗した私が行き着いた、シナリオづくりの考え方をお話しします。
