前章で、主戦場ひとつ+補助ふたつ、と決めました。この章は、その各チャネルでの実践編です。とはいえ、テクニックの羅列はしません。私自身、テクニック記事を読み漁っては真似をして、うまくいかなかった経験が山ほどあるからです。うまくいかなかった理由は、いま思えば単純で、どのチャネルにも固有の「文化」があり、文化に馴染む前にテクニックだけ真似していたからでした。この章では、SNS、ブログ、プレスリリース、そしてプロフィールについて、文化から入る実践をお話しします(地域での顔の見える活動については、第2章でお話ししたとおりです)。
5-1 SNS運用:アルゴリズム理解とクラスタ形成
アルゴリズムの基本原理:滞在と反応
SNSのアルゴリズム(投稿を誰に見せるかを決める仕組み)は、複雑に見えますが、根っこの原理は昔から変わっていません。人が長く滞在し、反応したくなる投稿を、広く見せる。それだけです。
だから、小手先の攻略よりも、「読んだ人が思わず反応したくなるか」を考えるほうが、結局は近道です。私の投稿で反応が大きいのは、きれいにまとまった解説よりも、失敗談と、「こういうこと、ありませんか」という問いかけです。あるある話に人は「ある」とコメントしたくなる。その反応が、次の人への表示を連れてきます。第1章で集めた「生の言葉」が、ここでも武器になります。
クラスタ(界隈)の中で認知される
もう一つ、私が長く見落としていたのがクラスタ(界隈)の存在です。SNSは全世界に開かれているようでいて、実際には、興味でつながった小さな界隈の集まりです。そして、投稿はまず自分の界隈の中で回ります。
つまり、誰とつながっているかが、誰に届くかを決めるのです。フォロワーを無差別に増やしていたころの私の投稿は、届いてほしい人のいない界隈を漂っていました。いまは、交流会で出会った人、地域の経営者、同じ課題領域に関心のある人と意識してつながっています。第4章の「ペルソナの生息地」は、チャネル選びだけでなく、チャネルの中での界隈選びにも効くのです。つながりの質を整えることは、地味ですが、投稿の質を上げるのと同じくらい届き方を変えます。
交流会文化圏とFacebookの相性
私の主戦場の一つはFacebookです。理由は好みではなく、ペルソナの生息地だからです。日本の交流会文化圏では、名刺交換のあと「Facebookでつながりましょう」が標準の動線で、経営者の多くが実名でアカウントを持っています。
Facebookでの私の運用は、三本柱です。交流会や登壇や地域活動の様子で、実在感と人柄を伝える投稿。半自動セールスの気づきを短くまとめた投稿。そして、つながった人の投稿へのコメントやお祝い。三本目を意外に思われるかもしれませんが、SNSは発信の場であると同時に、第25章で扱う「出会った人とのゆるい接触」を保つ場でもあります。自分が発信するだけでなく、相手の発信に反応する。面と点の両方を、同じチャネルで回せるのがSNSの面白さです。
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チャネルごとの実践が見えたところで、これを「ひとりで回し続ける」ためのAI活用です。ネタ出しから下書き、推敲まで、私が毎週回している具体的な手順とプロンプトをお見せします。
