「今度1to1やりましょう」を日程に変える|異業種交流会後のアポ確定術

異業種交流会で盛り上がり、「今度ぜひ1to1やりましょう!」と言い合って別れる。そして、その1to1は永遠に開催されない――誰もが経験している光景です。

この記事のテーマは、この「やりましょう」を実際の日程に変える技術です。先に言っておくと、必要なのはトークスキルではありません。仕掛けるタイミングと、送る文面の型だけです。

目次

「やりましょう」で終わる人が9割 ―― 問題は興味ではなく段取り

まず認識を変えるところからです。「やりましょう」と言ったのに日程が入らないのは、相手に興味がなかったからではありません。

考えてみてください。あなた自身も、興味を持った相手との「やりましょう」を流したことがあるはずです。理由は単純で、交流会のあと日常業務に戻り、日程調整という面倒なタスクが受信箱の底に沈んだだけです。相手も同じです。興味はある。ただ、段取りが発生しないまま時間が過ぎ、気まずさの均衡に落ち着いてしまう。

つまり攻略すべきは相手の気持ちではなく、「段取りが自然発生しない」という構造です。段取りは、こちらから仕掛けて発生させます。仕掛けどころは3つあります。

アポを確定させる3つの仕掛けどころ

① その場:「やりましょう」が出た瞬間にスマホを出す

最強の一手は、会話の中で「やりましょう」が出た瞬間に、その場でスマホのカレンダーを開くことです。

「ぜひ。せっかくなので今決めちゃいましょう。来週か再来週だと、どちらが動きやすいですか?」

これだけです。相手が「来週かな」と言えば、「では火曜か木曜の午後はいかがですか」と2択まで絞る。30秒で仮の日程が入ります。仮でいいのです。後から動かすのは簡単ですが、ゼロから調整を立ち上げるのは重い。この非対称性こそが、その場で決める最大の理由です。

やってみると分かりますが、嫌がる相手はほとんどいません。むしろ「決めてくれて助かる」という反応が大半です。効果が最も高く、実行している人が最も少ない――もし1つだけ実践するなら、これを選んでください。

② 当日中:熱があるうちに候補日を送る

その場で決めそびれた場合、次の締め切りは当日中です。帰宅までの移動時間に、お礼を兼ねた1通を送ります。

このタイミングの価値は「熱」です。相手の中であなたとの会話がまだ鮮明で、「やりましょう」と言った自分の言葉も覚えている。ここに具体的な候補日が届けば、返信のハードルは最も低い状態です。

③ 48時間以内:記憶が他の参加者と混ざる前に

当日を逃したら、48時間以内。これが実質的な最終ラインです。48時間を過ぎると、相手の記憶の中であなたは「あの日名刺交換した大勢」の中に溶け始めます。そうなってからの連絡は、「どちら様でしたっけ」という心理的な壁を越えるところから始まり、成功率が大きく下がります。

なお、この48時間は名刺のデータ化の締め切りと同じです。データ化とアポ打診をひとつの流れとして「交流会の翌日にやること」に組み込んでしまうのが、最も確実な運用です。

→ 関連記事:名刺は48時間以内にデータ化する

送り方の原則

タイミングと同じくらい、文面の型が成功率を左右します。原則は2つです。

「いつがいいですか」と丸投げしない

最も多い失敗が、「ご都合のいい日はありますか?」という丸投げです。これは相手に「自分のカレンダーを開いて、候補を洗い出し、文章にまとめる」という作業を発注しています。忙しい相手ほど、この作業は後回しになり、そのまま忘れられます。

正解は、候補日3つ+所要時間+形式をこちらで指定することです。

先日は〇〇のお話、ありがとうございました。ぜひ続きを伺いたく、30分ほどオンラインでお時間いただけませんか。

・来週火曜 14:00〜

・水曜 10:00〜

・金曜 16:00〜

上記でご都合が合わなければ、他の候補もお送りします。

相手のタスクは「どれかを選んで返信する」だけになります。返信のハードルを下げることが、文面設計のすべてです。

「お茶でも」は使わない ―― 何を話す30分かを明示する

「今度お茶でもどうですか」という誘いは、丁寧に見えて、実は相手に判断材料を何も渡していません。目的の分からない時間ほど、忙しい人にとって予定に入れづらいものはないからです。

「〇〇の件でお聞きしたいことがあり」「先日の△△のお話の続きを」と、その30分が何の時間なのかを一言で示します。目的が明確な誘いは、承諾もされやすく、断られる場合も理由が返ってきやすい。どちらに転んでも次につながります。

チャネルは相手に合わせる

送る手段は、交流会でつながった経路に合わせます。名刺のメールアドレスへ、Facebookでつながったならメッセンジャーへ、LINEを交換したならLINEへ。文面の型はどのチャネルでも同じですが、メールはやや丁寧に、メッセンジャー・LINEは短く、が基本です。

返信がない・断られたときの受け皿

候補日を送っても、返信が来ないことはあります。断られることもあります。ここで大切な原則をひとつ。アポが取れないこと=関係の終了ではありません。

返信がない場合、1週間ほど空けて一度だけ軽く再送します。それでも動かなければ、無理に追いません。代わりに、相手をフォローの別レーンに乗せます。SNSでつながっておく、ハブページを案内しておく、メルマガの導線に招く。今はタイミングが合わなかっただけの相手と、接点を保ったまま時が来るのを待つ仕組みです。

→ 関連記事:QRコードのつなぎ先「ハブページ」のつくり方メルマガの始め方

実際、交流会の縁が動き出すのは半年後、1年後ということも珍しくありません。アポの成否で相手を選別するのではなく、「今すぐ会える人」と「接点を保って待つ人」に分けるだけ――この設計が、フォロー戦略全体の懐の深さになります。

アポは「取る」ものではなく「確定させる」もの

「今度1to1やりましょう」は、放っておけば消える言葉です。しかし、その場でスマホを出せば30秒で日程に変わり、当日中の1通なら熱のあるうちに届き、48時間以内なら記憶が混ざる前に間に合います。

文面は候補日3つと目的の明示。丸投げしない。「お茶でも」と言わない。そして取れなくても関係は切らない。どれも今日から使える段取りの技術です。

1to1が実現したら、次はその30分で何をするか――売り込まずに、質問し、記録し、許諾を得る。続きは次の記事で解説します。

→ 関連記事:1to1ミーティングでやることは3つ|質問・記録・そして「許諾」

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この記事を書いた人

株式会社ねこすけの代表をしています。
2005年に創業しWebマーケティングを実践するためのコンサルティング、サイト構築、サイト運用、システム開発を行っています。
会員・顧客属性を利用したコンテンツ管理を得意としており、協会サイト、多ブランドのECサイト、会員向けコンテンツサイトなどを構築運営しています。Webマーケティングのパートナーがほしいと感じている方、ご相談ください。
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