交流会後の1to1ミーティングが実現した。相手と向かい合った30分で、何をすべきでしょうか。
多くの人がここで間違えます。せっかくの機会だからと自社サービスの説明を始め、相手の表情が固くなり、「機会があればまた」で終わる。せっかく確定させたアポ(→1to1アポ確定術)が、売り込みによって最後の接点になってしまうのです。
1to1でやることは3つだけです。質問し、記録し、許諾を得る。 受注はゴールではありません。この記事では30分の設計を順に解説します。
1to1のゴールは受注ではない
前提から確認します。交流会で会ったばかりの相手が、30分の面談であなたの商品を買う確率は、ほぼゼロです。相手もそれを分かっているので、売り込みの気配を感じた瞬間に心を閉じます。
では1to1は何のための場か。相手を深く知り、継続的につながる許可を得るための場です。受注はその数週間〜数か月先、相手のタイミングが来たときに、思い出してもらえるかどうかで決まります。今日の30分は、その「思い出してもらえる状態」をつくる投資です。
やること①:質問 ―― 相手の困りごとを引き出す
30分の主役は相手です。配分の目安は、相手の話が7割、自分の話が3割。自分の話は聞かれたら答える程度で十分です。話してもらうための質問を5つ用意しておきます。
「今のお仕事を始められたきっかけは?」――ほぼ全員が喜んで話し、価値観が見えます。「どんなお客様が多いんですか?」――相手の商圏とターゲットが分かり、後で紹介する材料になります。「今、力を入れていることは?」――現在の関心事。フォローの話題はここから生まれます。「逆に、悩ましいことはありますか?」――困りごと。フォローの糸口として最重要の情報です。「どんな人を紹介できたら嬉しいですか?」――この質問ができる人はほとんどいません。相手の記憶に残り、こちらも同じ質問を返してもらえる流れが生まれます。
売り込まない対話の組み立て(30分の設計)
最初の5分は雑談と、交流会当日の会話の振り返り。ここで接触履歴のメモ(→接触履歴の記録)が効きます。「あの日おっしゃっていた新店舗の件、どうなりました?」――この一言だけで「覚えていてくれた人」になれます。続く15分が質問パート。上の5つを会話の流れで使います。次の5分で、聞かれたら自分の話。最後の5分が、次のアクションの確認と、後述する許諾です。
やること②:記録 ―― 話した内容をその日のうちに残す
1to1で得られる情報は、交流会の立ち話とは質が違います。困りごと、意思決定の背景、紹介してほしい人物像。これらはすべて、その日のうちに接触履歴へ記録します。
理由は交流会のときと同じです。記憶は48時間で混ざり始めます。そしてこの記録が、次回の接触の冒頭、フォローの話題選び、さらに後述するステップメールの文面にまで効いてきます。
→ 関連記事:ビジネス交流会の接触履歴を仕組みで残す
やること③:許諾 ―― メルマガのパーミッションを得る
そして、この記事の核心です。1to1の終盤で、メルマガ(またはLINE公式)の許諾を得ます。
なぜ1to1の許諾は質が高いのか
メルマガの許諾を取るルートは3つあります。ハブページからの自己登録、イベント申込フォーム、そして1to1での対面許諾です(→メルマガ許諾)。このうち対面の許諾は、取得の質が最も高い。相手はあなたの顔を見て、何がどれくらいの頻度で届くかを理解したうえで「いいですよ」と言っています。断りやすい状況で得た同意だからこそ、その後の開封率も解除率もまったく違います。
そしてこの許諾が、交流会の縁を「会えるときだけの関係」から「会えない期間も接触が続く関係」に変えます。1to1は、交流会とリストマーケティングをつなぐ結節点なのです。
切り出すタイミングは終盤、次のアクション確認の流れで
冒頭で切り出すと営業目的の面談になってしまいます。ベストは終盤、「今日はありがとうございました」の直前、次のアクションを確認する流れの中です。会話が十分に温まり、相手があなたの人柄と専門性を把握した後だからこそ、自然に受け取ってもらえます。
言い方の例
「月に1〜2回、〇〇についての情報をメールでまとめて送っているんですが、よろしければお送りしてもいいですか?」
この一文には3つの要素が入っています。頻度を先に伝える(月1〜2回=負担が小さいことの明示)。内容を具体的に言う(何の情報が届くのか)。売り込みではなく情報提供であることが伝わる。この3つが揃っていれば、承諾率は非常に高くなります。逆に「メルマガ登録してもらえませんか」だけでは、何が来るか分からない不安で断られます。
断られたときの受け皿
断られても、まったく問題ありません。「では、また何かあればFacebookでご連絡しますね」とSNSでつながっておく、あるいはハブページを案内しておく。接点の形が変わるだけで、関係は続きます。ここで無理に粘ると、それまでの30分の信頼が消えます。
→ 関連記事:QRコードのつなぎ先「ハブページ」のつくり方
許諾も記録する
許諾を得たら、いつ・どこで・何の許諾を得たかを接触履歴に残します。配信リストの1件1件に許諾の記録がある状態は、法務面の裏付けであると同時に、「このリストは堂々と送れるリストだ」という運用上の自信になります。
1to1のその後 ―― フォローの設計へ
1to1が終わったら、相手の「今の関係」はLv2に上がり、多くの場合メルマガのレーンにも乗っています。ここから先は、レベルに応じたフォローの配分の話になります。メルマガに乗った相手は個別フォローを減らしていい――この設計は次の記事で解説します。
→ 関連記事:レベル別・90日フォロー設計
1to1は「売る場」ではなく「つながる許可を得る場」
質問で相手を知り、記録で忘れない仕組みを作り、許諾で会えない期間の接点を確保する。この3つが揃った1to1は、たとえその場で何も決まらなくても成功です。相手のタイミングが来た日に思い出されるための土台が、30分で全部そろうのですから。
→ 全体像はこちら:異業種交流会・ビジネス交流会のフォロー戦略 完全ガイド
