「異業種交流会って、正直意味なくないですか?」
参加を迷って検索したのなら、先に結論をお伝えします。意味がないのは異業種交流会ではなく、「フォローをしない参加の仕方」です。 名刺だけ増えて何も起きない参加の仕方なら、たしかに時間の無駄です。一方で、同じ会に出て売上と紹介を生み続けている人もいます。差は才能でも社交性でもなく、会った後にやることを決めているかどうかだけです。
この記事では、まず「意味ない」と言われる理由を正直に全部認めるところから始めます。私たちは交流会の主催者ではないので、参加をすすめる立場のポジショントークをする必要がありません。デメリットも、向かない人がいることも、そのまま書きます。
「意味ない」と言われる6つの理由 ―― 正直に全部認めます
検索すると出てくる「意味ない」「気持ち悪い」「時間の無駄」という声の中身は、だいたい次の6つに集約されます。
① 名刺交換だけで終わる
最も多い不満です。当日は盛り上がったのに、翌週には誰が誰だか思い出せない。もらった名刺は名刺入れの肥やしになり、こちらの名刺も相手の引き出しで眠る。事実です。 そして、何もしなければ100%そうなります。
② 売り込みばかりで会話にならない
名刺を渡した瞬間に営業トークが始まる。こちらの話は聞かず、自社サービスのパンフレットを開く。こういう参加者は実際にいます。事実です。 交流会が「営業の場」だと誤解している人は一定数存在します。
③ 勧誘・MLMが混ざっている
ネットワークビジネス、投資、高額塾。オープン参加型の交流会には、こうした勧誘目的の参加者が混ざることがあります。事実です。 「気持ち悪い」という評判の主因はこれです。会の選び方で大きく減らせますが、ゼロにはなりません。
④ 参加者の層が合わない
士業向けの話をしたいのに学生起業家ばかりだった、BtoBの商材なのに個人事業主ばかりだった。事実として起こります。 これは会の欠陥というより、事前に参加者層を調べなかったミスマッチです。
⑤ その場では何も決まらない
30分の立ち話で契約が決まることは、まずありません。事実です。 ただし後述するとおり、これは交流会の欠陥ではなく、そもそも交流会はそういう場ではないという話です。
⑥ 費用対効果が見えない
参加費5,000円、移動込みで4時間。それに対して得たものは名刺20枚。時給換算すると赤字に見える。数字の上ではそのとおりです。 名刺20枚を「そのまま」にするなら、確実に赤字です。
6つのうち5つは事実 ―― ただし会の欠陥ではなく「構造」の話
お気づきでしょうか。6つの理由のほとんどを、私たちは「事実です」と認めました。では、なぜそれでも交流会で成果を出す人がいるのか。
鍵は⑤です。交流会は、その場で成果が出る場ではありません。 初対面の30分で発注される商材はほとんど存在しません。交流会が提供しているのは「出会い」だけであり、成果は出会いから数週間〜数か月先にあります。
つまりこういう構造です。交流会の価値は当日には発生せず、会った後の行動によって後から発生する。だから、会った後に何もしない人にとって、交流会は本当に意味がありません。①も⑥も、フォローをしないことの結果であって、会そのものの欠陥ではないのです。
②と③は会の選び方の問題、④は下調べの問題として対処できます。残る本質はただひとつ――会った後に何をするかです。
成果が出る人と出ない人の差は「会った後の90日」にある
その場で売れないのは当たり前 ―― 見込み顧客は会った人の知り合い
成果を出す人は、そもそも当日のゴール設定が違います。目の前の20人に売ろうとしていません。会場で出会う人が自分の顧客である確率は低い、と最初から織り込んでいます。
彼らが見ているのは、出会った1人の後ろにいる数百人の知り合い――二次人脈です。目の前の人と信頼関係を築けば、その先の「ちょうど困っている誰か」を紹介してもらえる。だから当日は売り込まず、覚えてもらうことと、連絡が取れる状態をつくることに徹します。
分かれ目は90日のフォロー
会った後の90日で、成果が出る人は次のことをやっています。48時間以内に名刺をデータ化し、誰と何を話したかを記録する。全員ではなく「関係を深めたい相手」を選び、1to1のアポを入れる。会えない相手とも、メルマガやSNSで接点を絶やさない。
どれも特別な才能は要りません。要るのは、やることを事前に決めておくことだけです。この90日の全工程は、完全ガイドとして別記事にまとめています。
→ 関連記事:異業種交流会・ビジネス交流会のフォロー戦略 完全ガイド
意味のある会にするための3つの前提
参加する前に、次の3つを決めておくだけで、同じ会がまったく別の場になります。
目的を決めてから申し込む
「人脈を広げたい」は目的になっていません。「自分の商材を紹介してくれそうな士業と2人つながる」「同業のリアルな相場観を聞く」など、達成が判定できるレベルまで具体化します。目的が決まれば、出るべき会も自然に絞れて、④のミスマッチも減ります。
フォロー導線を用意してから行く
名刺・チラシに顔写真とQRコードを入れ、QRの先には連絡手段をまとめたハブページを置く。会った後に相手が自分をたどれる導線を、会う前に作っておきます。
→ 関連記事:名刺に顔写真を入れるべき理由/QRコードのつなぎ先
記録するものを決めてから行く
「話した内容・相手の困りごと・次のアクション」の3項目を、名刺交換のたびに残すと決めておきます。記録がなければ、90日のフォローは始まりません。
怪しい会・勧誘目的の会の見分け方
③の対策も書いておきます。完全ではありませんが、次のシグナルで大半は避けられます。
主催者の身元が明確か。会社名・実名・過去の開催実績が公開されていない会は避けます。参加費が極端に安い、または無料の大規模な会は、勧誘目的の参加者の比率が上がる傾向があります。「誰でも歓迎」より、業種や役職で参加条件を絞っている会のほうが密度は高くなります。そして一度参加してみて、名刺交換の直後にアポを迫る人が多い会はリピートしない。この程度の基準で十分に機能します。
それでも異業種交流会が向かない人
最後に、正直に書きます。次に当てはまる人には、交流会はおすすめしません。
すでに紹介だけで仕事が回っている人。その紹介網を深耕するほうが、新しい出会いより費用対効果が高いはずです。商圏が完全にオンラインで、地理的な人脈が売上に直結しない人。SEOや広告のほうが再現性があります。そして、フォローの時間を確保する気がない人。冒頭から述べてきたとおり、フォローしないなら交流会は本当に時間の無駄です。参加費を別の施策に回してください。
逆に言えば、フォローの時間を取れる人にとって、交流会は「広告費ゼロで見込み顧客の入口をつくれる場」であり続けています。
行くか迷ったら「フォローできる状態か」で決める
異業種交流会は意味ない――半分正しくて、半分間違いです。名刺交換で終わらせるなら意味はない。会った後の90日を設計してから行くなら、1回の参加が数年の関係資産に変わります。
参加を迷っているなら、判断基準は「良い会かどうか」より先に、自分がフォローできる状態になっているかです。準備の仕方から90日の動きまで、全工程を次の記事にまとめています。
