5月にアップデートGoogleのAIツール「Notebook LM」。使いましたか?
今回は、そのNotebook LMを活用して、自社サイトの現状把握と競合サイトとの比較を行う方法をご紹介します。
サイトの調査といえば、URLを開いて、スクリーンショットを撮って、表にまとめて…という地味で手間のかかる作業でした。
Notebook LMを使えば、そのプロセスが一変します。自社のWebサイトや競合のサイトをAIが読み解き、差分を明確に示してくれるのです。
Notebook LMとは何か?
Notebook LMはGoogleが開発したAIツールで、ユーザーがアップロードした資料や指定したWebページの内容をもとに、質問への回答や要約を行ってくれます。
従来の生成AIとは異なり、自分で指定したソースだけに基づいて回答してくれるため、情報の正確性が高く、ドキュメントの分析や比較に非常に強みがあります。
ここは非常に重要なので、もう一度繰り返します。Notebook LMは「自分で指定したソースだけ」に基づいて回答します。
「Webサイト=1つの資料」ととらえ、Notebook LMに読み込ませれば、まるで外部のコンサルタントがフィードバックしてくれるような使い方が可能です。
まずは自社を知る ― Notebook LMによる自社分析
競合を語る前に、まず“自社を知る”ことが基本です。Notebook LMはURL読み込みに対応しているため、まずは自社サイトの主要ページをソースとして指定します。
そして、以下のような質問を投げてみましょう。
「このページは誰に向けて書かれていますか?」
「このサービスの強みは何と書かれていますか?」
「読み手が得られるベネフィットは?」
AIはページの内容をもとに、第三者の視点で要点をまとめてくれます。これにより、自社が「伝えたいこと」と「伝わっていること」のズレを客観的に確認できます。
Notebook LMは、指定されたURLのページ内容のみに基づいて回答します。つまり、サイトに書かれていないことは一切反映されません。
実際に使ってみると、その“伝えていないこと”の多さにショックを受けるかもしれません。ですが、心配はいりません。もし戸惑ったら、ぜひ私に相談してください。一緒に整理しましょう。
競合サイトも取り込む ― 資料化とAI対話で深掘り
次に、競合とされるサイトのURLをNotebook LMに読み込ませます。たとえば、A社とB社のLPをそれぞれソースとして登録します。
ここで行うのは、“資料比較”です。
「A社とB社にはどのような違いがありますか?」
「A社の訴求に比べて、B社の強みは何ですか?」
「それぞれが想定しているターゲット像は?」
これらの質問に対し、Notebook LMは引用元を明示しながら答えてくれます。
単なる感想ではなく、実際に記載された文言に基づくため、マーケティング分析に使える“材料”として非常に有用です。
きちんと引用元が示されるため、なぜそのような結論になったのかが明確になります。
差分を見つける ― 自社と競合の比較・分析
いよいよ、自社と競合を並べて比較するフェーズです。Notebook LMに自社と競合のURL(または資料)を同時に登録し、差分を質問形式で引き出します。
たとえば:
「A社・B社と比べて、当社にはどのような違いがありますか?」
「訴求の観点で当社が弱い部分はありますか?」
「当社のサービスの説明は、十分に理解しやすい内容になっていますか?」
こうした質問をすることで、“他社と比べたときに伝わっていないこと”や“言い足りないこと”が見えてきます。
通常は、サイトリニューアル時に時間をかけて行っていた調査が、Notebook LMを使えばわずか数分で完了してしまいます。
また、ChatGPTと異なり、Notebook LMはアップロードされたページ内容から明示的に引用するため、同じ質問をしても毎回回答が変わるといったことがありません。
まとめ:AIの視点を味方に、自社の魅力を再発見
マーケティングの基本は、「他社と違う点を明確にし、それを強みに転換すること」です。Notebook LMは、そのための差分発見・要素抽出に特化した強力なツールです。
ねこすけでは、今後もこうしたAIツールを活用し、企業のWebマーケティングを“仕組み化”によって支援していきます。
「自社の魅力をうまく言語化できない」「競合との違いがあいまい」――そんな悩みをお持ちの方は、まずNotebook LMを使って、自社サイトを“外から見る”ところから始めてみてはいかがでしょうか?